はじめまして、奈良市・生駒市で10年間、家庭教師一筋!のしゅ~先生です。
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今日は原爆の日
8月6日は広島、そして本日8月9日は長崎に原子爆弾が投下された日です。小学校の修学旅行で行った原爆ドームの怖さは今でも覚えています。このような事を繰り返してはいけません。そのためには原爆について我々一人一人が正しい知識をつけ、伝えていくことが大切だと思います。
遺族の話や、投下後の悲惨さ、政治的な話はニュースでもTwitterでも話題になっているでしょう。それも大事です。ですが、サイエンス的な立場から原爆の仕組みを解説しているメディアは少ないと思います。
今回は、初歩の初歩。原爆―核反応皆さんに分かってもらえるようできるだけ優しく解説していこうと思います。人類の手に余る、恐ろしい「核」の仕組みを少しでも分かってもらえたら幸いです。
ウランやプルトニウムを燃やしてもあんな威力は出ない
原爆はウランやプルトニウムを「燃やす」と思っている人が多いかもしれませんが、燃やすのは中学校の理科で習った酸化反応(酸素とくっつく反応)で核反応とは全く違います。ウランやプルトニウムに火をつけても燃えませんし、仮に燃えたとしてもあんな威力は出ません。
私たちの身の回りで起こっている反応は酸化を始め、ほとんどが化学反応です。物を燃やす酸化反応だけでなく、洗濯して汚れを落としたり、食べ物を食べたり・・・それだけでなく身の回りの服やフライパンなどあらゆるものも化学反応なしでは作れません。
化学反応とは簡単に言えば、組み合わせを変えて物質を作り変える反応です。その際、熱や光など、エネルギーを放出します。物を燃やす酸化反応はたくさんエネルギーを放出する反応で日常で最もよく使っている反応です。
ところが原爆の核分裂反応は酸化反応とは全く違う反応で、馴染みも薄いので、みなさんなかなかピンと来ないんです。一体どういう仕組みか見ていきましょう。
「重さ」をこの世から消す!
投下された原爆や原子力発電、そして太陽を始めとする星の輝きは核反応と呼ばれています。核反応には核分裂と核融合の2種類があるのですが、どちらも質量(重さ)をこの世から消してエネルギーを出す「質量欠損」と言う仕組みの反応です。アインシュタインの有名な式で計算できます。
E = mc2
質量欠損によって放出されるエネルギーは莫大で、例えば質量1kgは
約90000000000000000(0が16個)J
のエネルギーに変換できます。ゼロが多すぎてなんだかピンときませんね。ちなみに自動車に使うガソリンを1kg燃やしたときのエネルギーは
50000000J
です。ケタが全然違いますね。ガソリンを1800000t燃やしてようやく釣り合いが取れる計算です。
さて、広島に落とされたリトルボーイの威力は
約60000000000000J
だったといいます。質量1kgの質量欠損の方が遥かに大きいですね。どういうことかと言うと、原子爆弾の反応は核分裂反応といって、ウランの質量すべてをエネルギーに変えることができないからなんです。
リトルボーイに積載されたウラン約65kgのうち、約876.3gが核分裂反応を起こしたと推定されています。さらに核分裂反応により失われた質量は約0.7gと言われています。0.7gであの威力・・・とにかく核反応というのは皆さんの想像よりも遥かにエネルギーを放出すると思って下さい。
ヒトの手には余るもの
このように核反応は莫大なエネルギーを放出する危険な反応です。このような兵器が世界中にまだまだあることは恐怖以外何者でもありません。核兵器はこのような大きすぎる威力に加え、放射線の被害も出るので、実戦では使いづらく、抑止力としての役割しかありません。
また核反応を利用した原子力発電も問題は多いです。核反応は少量で膨大なエネルギーを放出するので発電コストは当然安いです。ところが、福島原発のような大きな事故が起きた際のリスク管理のコストまで含めると、実はそんなに安くないのです。
核反応は自然界では地球の何倍も大きさもある太陽や、その他の星の輝きに使われる、宇宙スケールの規模の大きな反応です。ちっぽけなヒトが上手に利用するには手に余るもの。原爆の日を通して私たちは核兵器、原発の利用についてもう一度考えるべきだと思います。
最後までご覧いただきありがとうございました。この記事があなたのお役に立てれば幸いです!
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